KG FIGHTERS 第55回ライスボウル初優勝 2002年1月3日
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コーチのコラム(守備)
Fighters-Dの肖像堀口 直親
―風 〜不安と闘い試行錯誤を繰り返した日々―


午前様

 学生会館内にある会議室。ディフェンスがミーティングを行う部屋にはなぜかポットが2つ。そばにはコーヒーやら紅茶のティーパックやらカップの味噌汁やらお菓子やら。学内が冬期休暇期間に入ったため、自動販売機も使えなくなっていたんです。そんな時にあって、コーチからのせめてもの「贈り物」でした。
 ミーティングも毎日午後8時半に終了。それまではスポーツセンターに泊まり込んでの合宿ができたため、午前様になることも多かったんですが、年末だったのでセンターも使えず、確認のためにミーティングする時間は少なくなりました。

「はよ寝ぇなぁ、もう・・・」

 スポーツセンターでのミーティング。深夜。いつ、どこで買ってきたのだろうか。星田が私の後ろの席でうまそうにパンを食べている。平郡がいくつかそれをパクる。(俺のは・・・ないんか・・・腹減ったなぁ)
  黙ってビデオをデッキに入れる平郡。まだ見るのか。星田はムシャムシャとパンを食べ続けている。こいつ、そんなにでかくない割りによく食べる。
 「何見んねん?」
 「○△◇です。」
 「おお、あれなぁ」
  二人がわけのわからぬ会話をしている。ビデオが始まると、財満がビニール袋に食糧を入れてやってくる。知らぬ間に力哉が何か食べながら参加している。パスディフェンスの整理を終えた矢野が少し後ろでボーっと見つめている。
 やがて誰の顔にも疲労の色が出始める。平郡の目が輝きを失ってきた頃、
 「もう寝たらどうや」
 と言うが、
 「大丈夫です」
  と相変わらず強気。顔、死んどるやないか・・・
  時計を見たら午前1時半。いや、2時前という時もあった。心の中でこう叫ぶ、
  「はよ寝ぇなぁ、もう・・・」
 帰ろうとしても、時折襲ってくる質問攻撃に席を立てず、睡眠はとても大切だと思いながらも「寝ろ」と命じることもできず。一つ一つ、問題を解決しようとしていく姿に、私も年を忘れて付き合った。
  まことタフな連中である。その意気込みに、私は随分と救われた。


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