(2)頭部外傷の予防策 
              ■ 
 
              MRI(核磁気共鳴断層装置)検査 
               入部する時点で全員がMRIによる頭部(脳)の断面画像を撮影して脳神経外科医の診断を仰ぎ、コンタクトを伴うアメリカンフットボールに対する適性を確認する。 
              ■ 首、僧帽筋の強化               
               コンタクトの際に 頭部が振られるスピードを和らげる為に、頭部の付け根である首、僧帽筋を トレーニングで 強化する。                             ■ 適正なヒット技術を習得 
                ヒットの瞬間は、きちんと顔を上げていること(フェイスアップ)、あごをひき、首を肩の中に埋めるような状態をとること(ブルネック)、両手を活用してヘルメットだけのコンタクトにならないようにすることなどをしっかり身につける。  
              ■ 夏季練習時の水分補給 
               脱水によって脳震盪および頭部外傷が起こりやすくなる可能性があり、生活においても練習中においても水分補給はこまめにするように指導している。                              ■ 体調管理の徹底 
                頭痛、発熱、睡 眠不足などについては本人の申告を基本として、トレーナーが体調管理に注意している。 
              ■ 合宿期間の体調管理  
               8月中旬に行う夏季合宿においては、午前・午後の練習の前後に全選手の体重、体温、頭痛の有無、尿検査によるタンパク、血尿などをトレーナーが確認して体調のチェックを行う。 
              ■ ヘルメットの軽量化を図る 
               過去の頭部外傷事例の分析から医師が指摘しているとおり、重いヘルメットはより速い頭部の回転を引き起こし、頭部外傷を引き起こす誘因となる。ヘルメットを軽くするために、クラライトやチタンなどでできている軽いフェイスガードの利用を原則としている。 
                
              ■  CogSport の導入 
                重篤な頭部外傷の発生率と脳震盪の発生率には相関関係がある。重篤事故を防ぐには脳震盪に対する的確なマネジメントが欠かせない。脳震盪は脳の認知機能の低下を招き、練習復帰には外見上の回復だけでなく脳認知機能の回復を確認することが必要である。 CogSport では脳震盪から表面上回復したように見える選手を復帰させる際に、ウェブ上で反応速度、反応の正確さ、記憶力などを測るテストを行い、本人の正常時の数値と比較して脳機能が完全に回復しているかどうかを検証するシステムである。このテストによる脳震盪のデータを蓄積し、年間の発生率を指標として減少に努める。  
               CogSport の日本代理店である株式会社ヘルス・ソリューションのページ  
              ■ 脳震盪から復帰までのプロセス設定とその遵守  
                脳震盪を発症した場合、  
               @脳外科で CTスキャン、MRI 検査を含めて受診する。  
               A自覚症状がなくなった段階で Cogsport のフォローアップテストを行う。  
               Bテストによって正常な状態に回復したことをチームドクターに報告し、復帰の承認を受ける。  
               C監督が最終的に復帰させるかどうか判断する。  
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